大手町のランダムウォーカー

現役銀行員が教えるお金のこと

楽器の素材

こんにちは。

 

うつヌケものです。

 

今日もお読み頂きありがとうございます。

 

今回は楽器の素材と音質の違いに書いてみたいと思います。

 

うつヌケものは、趣味でバグパイプをやっており、東京パイプバンドというパイプバンドで演奏しております。

 

3月にパレードがあり、メンバーと一緒に練習していると、当バンドのパイプ・メジャー(パイプバンドのリーダーのこと)が…

 

「今君が使っているパイプでは、パレードには出れない。ブラックウッド製のもっと良いものに取り替えよう。」

 

と言い出しました。

 

うつヌケものが使っていたのは樹脂製のバグパイプで、木製(主にブラックウッド製)のものに比べ音量が大きく全体のバランスが取りにくく、また音も安定しないとの事でした。

 

木製のものは重たいし、これ軽くて気に入ってるんだけどな〜 (ボソッ)

 

「うちに今は使ってない古いやつがあるから、それを使おう!」

 

と、パイプ・メジャーが取り出したのはなんと、1970年に製造されたビンテージ・バグパイプ… 

 

こうして、うつヌケものは新品のバグパイプを押入れにしまい、ビンテージ・バグパイプを使うことになりました。

 

ビンテージ・バグパイプ

 

1970年代のバグパイプ。

 

パイプ・メジャーのお古か。

 

最初はただ古いだけのオンボロ中古楽器を想像していたのだが…

 

f:id:masaya-c-koike:20190203145849j:image

 

げげ、スゲ〜年期が入ってる!

 

しかも、ブラックウッドが全体的に少し赤っぽく変色しているような気が… 

 

f:id:masaya-c-koike:20190203150011j:image

 

40〜50年の歳月を経て熟成されたのかな… ワインみたいに…

 

さっそく自分の楽器に取り付けてみると…

 

f:id:masaya-c-koike:20190203150231j:image

 

うむ、明らかに場違いなパーツが取り付けられてる。

 

因みに、元々のパーツはこんな感じ…

 

f:id:masaya-c-koike:20190203150620j:image

 

同じような色で統一されていて違和感も無く実にシャープ!

 

それが今や新旧コラボレーション…

 

いやいや、楽器は音色が全て。

 

見た目が少しくらいおかしくても、音色が良ければそれで良い。

 

さっそく試しに吹いてみると…

 

埃が噴水のようにフワ〜と吹き出した後に… (ゲホッ、ゲホッ)

 

「なんということだ… これが木製バグパイプの音色か…」

 

材質が音色に与える影響については、ある程度理解しているつもりだったが、正直こんなに違うとは思っていなかった。

 

まず、音量だが樹脂製のものに比べて控えめである。

 

ただ、今まで使っていたものが、いかにギンギンとした耳障りなものだったのかが露呈された。

 

そして音色についてだが、実にまろやかで優しいのである。

 

角という角が取れ、耳障りな要素が全くない。

 

それでいて、音自体はしっかりとしており、他の楽器の音に埋もれてしまわない。

 

調べてみると、木材は長い年月をかけて演奏者の吐く息から湿気を吸い、それがダイレクトに音色に反映されるらしい。

 

「どう、楽器がご機嫌でしょう!(ニコッ)」

 

と、パイプ・メジャー。

 

楽器愛好家が新しいものよりも、使い込んだものを好んで使う理由がわかったような気がした。

 

古き良きもの

 

今の世の中、新しいものが一番価値があるように思われているフシがある。

 

最新のiPhone が発売されれば、皆がこぞってそれを買い求め、型落ちしたものは安価で転売される。

 

新素材のものが現れれば

 

「これは画期的だ」

 

と、もてはやされる。

 

テニスラケットは、木製からカーボン製のものに変わり、衣服は化学繊維のものが主流になり、ヒートテックやエアリズムなどのヒット商品も生まれた。

 

しかし楽器に関して、必ずしもこれに該当しないと思った。

 

天然素材には、これらの機能重視の人口素材には変えられない何かがあるような気がする。

 

もっとも、人間は古代から引き継いでいる遺伝子のなかで、表面的な利便性を排除すれば、感覚的に自然のモノを心地よく思うように設計されているのかもしれない。

 

ということで、うつヌケものは、もう樹脂製の楽器には戻れそうにないです…

 

以上、うつヌケものの随想でした。

 

うつヌケもの。